彫像しました-2-
続きです。
同じように横方向にも切削機で切り込みを入れて粗取りしました。
下を何度も描き直しながら、少しずつ立体を削りだしていきます。この段階の下絵は若干可愛らしさが出ています。目が大きすぎたかな?
人造ダイアモンドの刃がついた工具です。電動です。これで切ったり削ったりします。これらは乾式なので水は要りません。刃の大きさや形状も様々です。これのほかにも数種類の刃があります。加工箇所や仕上げによって少しずつ使い分けます。
少しずつ鼻が浮き出てきました。彫像は切り落としてしまったら、やり直しが利かないので少しずつ慎重に進めなくてはなりません。削っては描き、削っては描きして何度も下絵を描きなおすことになります。
後の部分の立体は可愛い尻尾です。なるべく丸くして。でも欠けない程度に。
鼻から口、頬にかけて少しずつ浮き上がらせてきたところです。口を深く掘り鼻から口にかけての丸みや頬のふっくら感などを意識しながら彫ります。この工程の辺りから【鑿】(のみ)で叩いています。
オレンジのホースがエアーコンプレッサーからの圧縮空気を送り、エアーモーターがその先の鑿を動かします。細かいピストン運動をしますので玄翁でコツコツ叩かなくとも削れます。
鼻と口の部分のアップです。この辺の立体感と【のんちゃん】特有のけだるさ・ゆるさの兼ね合いがイマイチ把握しきれなくて悩みました。下唇のプックリ感や頬の出具合など何度もやり直しました。
全体的に細かな【ビシャン】という仕上げで叩きました。これはその第一段階の仕上がりというべき段階でしょうか。細かな部分はさておいて、これで全体像を見てもらいます。この辺から写真を中村さんに見てもらいながら進めました。
どの程度まで彫るか思案のしどころです。
このへんはもう少し彫ろうかな。という場所には赤墨をして彫りなおします。近くから見たり、遠くから見たり、少し時間をおいてみたりといろんな角度からみて、その時、その時の印象を大事にしながら彫っていきます。
これにて完成です。中村さんにもOKをいただきました。
尻尾もなかなか丸みが出ていい感じです。
そしてのんちゃんは旅立ちました。