お墓の一坪とは?広さの考え方とその由来
「お墓の一坪」と聞いたとき、一般的な土地の「一坪」とは違う広さを指していることをご存じでしょうか。霊園や墓地で使われる「お墓の一坪」は、通常の一坪とは大きく異なります。
墓地でいう「一坪」は約90cm四方
霊園や墓地での「一坪」は、3尺四方(約90.9cm×90.9cm、面積約0.81㎡)を指します。これは、畳で言えば半畳分ほどの大きさです。
一方、不動産や建物で使われる一般的な「一坪」は6尺四方(約181.8cm×181.8cm、面積約3.3㎡)です。したがって、墓地の一坪は通常の一坪の約4分の1の広さということになります。
墓地独特の単位「聖地」と「霊地」
地域によって呼び方が異なり、特に関西地方では「1聖地(いっせいち)」と呼ばれることがあります。1聖地は0.9m×0.9m=約0.81㎡で、墓地の一坪と同じ広さです。
また、公営霊園では「1霊地」という単位が使われることがあり、これは約1㎡を指します。ただし、霊園によって計算方法が異なる場合もありますので、購入の際は必ず現地見学で確認することをおすすめします。
歴史的な背景について
この独特な基準が生まれた背景には、日本の埋葬事情の変遷があります。江戸時代には土葬と火葬の両方が行われていましたが、明治時代になると公衆衛生の観点から変化が起こります。
明治政府は1873年(明治6年)に一時的に火葬禁止令を出しましたが、土葬用の土地確保が困難になったため1875年(明治8年)に撤回し、伝染病による死者は火葬を義務付け、人口密集地域での土葬を禁止する措置を取りました(出典:ひとたび「火葬はいつから始まった?」、Wikipedia「土葬」)。こうした都市化と公衆衛生政策により、大きな墓地を必要としない火葬が普及していったとされています。
石材店での実務的な表記
実際にお墓の打ち合わせを行う際には、「○○尺×○○尺」または「○○m×○○m」といった表記でやり取りをするのが一般的です。墓地ごとに区画の広さや形状が異なるため、正確な寸法で確認しておくことが大切です。
石材の寸法と単位のページでは、石材業界で使われる様々な単位について詳しく解説しています。
まとめ
- 墓地での「一坪」は約90.9cm四方(約0.81㎡、半畳ほど)
- 通常の一坪(約181.8cm四方、約3.3㎡)の約4分の1の広さ
- 関西では「1聖地」、公営霊園では「1霊地」と呼ばれることも
- 明治時代の公衆衛生政策と都市化により、コンパクトな墓地区画が一般化
- 打ち合わせでは「尺」や「メートル」で表すのが一般的
お墓の広さの単位は、一般の土地とは異なります。お墓を建てる際には、現地の区画サイズをしっかり確認しておくことが重要です。
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