みかげ石とは? 名前の由来と本来の意味
「みかげ石」という言葉は、お墓や建築などでよく耳にする石の名前です。
しかし実は、この「みかげ石」はもともと兵庫県神戸市東灘区御影(みかげ)町の北部、六甲山地で採取された花崗岩(かこうがん)を指していました。
つまり「御影石」という名は、地名が由来の言葉なのです。
御影町で採れる石は粒子が細かく美しく、耐久性にも優れていたため、古くから神社仏閣・城郭・橋梁など、重要な建造物に多く使われました。
代表的な例では、京都御所や大阪城の石垣、神戸の住吉神社などが挙げられます。
その高品質な石の評判が全国に広がり、次第に「花崗岩=みかげ石」という呼び名が一般化していったのです。
現在では地名を超えた“総称”に
現在、六甲山地で本来の御影石を採掘することはほとんどなく、特別な工事や研究目的で限定的に行われる程度です。
市場に流通している御影石は、国内外さまざまな産地の花崗岩を含みます。
たとえば岡山県や茨城県、福島県、宮城県さらにはインド・中国・ベトナム・カンボジア・ウクライナなど、世界各地の花崗岩も「みかげ石」と呼ばれています。
これは御影町産の石があまりにも有名になり、“花崗岩全般を指す一般名称”として定着したためです。
「黒みかげ石」はみかげ石とは少し違う?
一方で、墓石などでよく聞く「黒みかげ石」は、実は厳密に言えば花崗岩ではありません。
黒みかげと呼ばれる石の多くは、斑糲岩(はんれいがん)という別の岩石に分類されます。
斑糲岩は非常に硬く緻密で、磨くと深い黒い艶を持つことから、高級墓石や記念碑に多く使われています。
つまり「みかげ石」という呼称の中には、花崗岩のほかにも見た目や用途の似た別種の石が含まれているということです。
お墓や建築に使われるみかげ石の特徴
花崗岩(みかげ石)は硬く・風化しにくく・吸水率が低いという特徴を持っています。
そのため、屋外で長年にわたって使用しても変色や劣化が少なく、石碑・灯籠・外構材などに最適です。
また、石目の細かさや色味、艶の出方には産地ごとに個性があり、「白みかげ」「桜みかげ」「青みかげ」といった表現で呼ばれることもあります。
群馬県や関東近郊では、明るく落ち着いた色調のみかげ石を選ばれるお客様が多い傾向です。
地域の石材店としてのご提案
群馬県高崎市金古町の長沼石材店では、国産・外国産を問わず多数の花崗岩を取り扱い、
お客様のご希望や設置場所の環境に合わせて最適な石種をご提案しております。
「どんなみかげ石を選べばいいのか」「色や質感の違いを見てみたい」といったご相談も、いつでも承っております。
実際の石見本を見ながら、お好みの風合いを一緒に選びましょう。