黒い石塔と白い石塔、どっちが良いのですか?
お墓を建てる際、「黒い石がいいのか」「白い石がいいのか」と迷われる方は少なくありません。見た目の印象だけでなく、地域性や風習、石の性質などにも違いがあります。ここでは、黒い石塔と白い石塔の特徴、さらに近年増えてきたカラーバリエーションの石についてもご紹介します。
地域によって異なる石塔の色
一般的に、関東以北では黒い石塔、関西以西では白い石塔が多く見られます。この傾向には「黒は格式が高い」「白は清らか」といった縁起を担ぐ考え方もありますが、どちらが良い・悪いという明確な優劣はありません。
実際のところ、これはその土地で採れる石の色に由来していると考えられます。近くで黒系の石が採れた地域では黒い墓石が、白系の石が多い地域では白い墓石が普及していったという自然な流れが背景にあります。
黒い石塔の特徴
黒い石塔は、深い光沢と重厚感があり、磨くほどに艶が増します。高級感・格式・厳粛さを感じさせ、近年では黒みかげ石など吸水率が低く耐久性の高い石種も多く用いられています。また、彫刻文字が白く映えるため、刻字が美しく見える点も人気の理由です。
白い石塔の特徴
白い石塔は、明るく柔らかな印象を与えます。「清らか」「爽やか」「穏やか」といった印象があり、先祖を明るく見送るような雰囲気を好む方に選ばれます。白系の石は黒系に比べてやや吸水率が高い傾向にありますが、近年は品質管理や加工技術の進歩により、耐久性の高い白御影石も多く流通しています。
黒・白以外のカラーバリエーション
現在では、黒や白だけでなく、緑・ピンク・グレー・ベージュなど、実に多様な色味の石が選べるようになりました。これらの石は、主に海外産の花崗岩(御影石)で、個性的で温かみのある墓石を希望する方に人気があります。
- 緑系の石:落ち着いた雰囲気で、自然との調和を感じさせます。
- ピンク系の石:やわらかく優しい印象で、女性や家族墓などにも好まれます。
- ベージュ系の石:明るくナチュラルな印象で、洋型墓石との相性が良いです。
このように、色味によって墓石全体の印象が大きく変わるため、実際にサンプルを見比べながら選ぶことをおすすめします。
現代では「好み」で選ぶ時代に
かつては地域や産地の石に限られていましたが、現在は世界各地の石が輸入され、色・模様・質感を自由に選べる時代です。そのため、黒でも白でも、あるいは緑やピンクでも、「どちらが良いか」ではなく「どんな想いを込めたいか」で選ぶことが大切になっています。
まとめ
- 関東以北では黒系、関西以西では白系が一般的
- 元々は「採れる石の違い」に由来
- 黒い石は重厚で格式があり、刻字が映える
- 白い石は明るく清らかで、柔らかい印象
- 現代では緑・ピンク・ベージュなど多彩な色味も人気
- 最終的には「ご家族の好み」と「想い」で選ぶのが一番
墓石は、ご先祖への敬意とご家族の想いを形にするものです。石の色は、その象徴でもあります。ぜひ現物の石を見比べながら、長く心に残る一基をお選びください。