良い石とは?

what-is-a-good-stone

お知らせ

Infomation

お問い合わせ

Contact

SCROLL 下にスクロール

良い石とは?

墓石や記念碑に使う石は、見た目だけでなく「長く風化しにくいか」が何より大切です。ここでは耐久性の観点から石の選び方と評価法を、長沼石材店の実務視点でやさしく解説します。

なぜ「耐久性」が重要なのか

墓石は屋外で長期間、人の手が入りにくい場所に設置されます。年月とともに風雨・凍結・大気汚染・苔や汚れにさらされるため、石の耐久性(長持ちする性質)ができるだけ高いものを選ぶことが、維持費や将来の補修負担を抑える第一歩です。私たち長沼石材店は、見た目の美しさと同時に物性を重視した石選びをお勧めしています。

石の耐久性を評価する主な指標

石材の耐久性を見るうえで、特に注目すべき物性をわかりやすくまとめます。

吸水率(きゅうすいりつ)

吸水率は石が水をどれだけ吸うかを示す割合です。水を吸いやすい石は、凍結融解(凍る→溶ける)の影響で割れやすく、塩害や汚れの進行も早くなります。一般に吸水率が低いほど耐久性は高いとされます。花崗岩(御影石)の目安としては、0.4%以下が良好な値の一つとされています。

強度(圧縮強度)

圧縮強度は石がどれだけの圧力に耐えられるかを示します。墓石の土台や重心のかかる部分では重要です。一般的に石種ごとに強度に差があり、施工計画では用途に応じた強度の石を選びます。

風化性・凍害抵抗

長年の風化で表面が劣化しやすい石種や、冬季の凍結に弱い石材があります。寒冷地や凍結融解サイクルが多い地域では、凍害に強い石の選定が必要です。

研磨性・色の安定性

表面を磨いたときの艶(つや)や、長年の風合い保持も墓石選びのポイントです。色むらや斑状の模様は石の個性ですが、屋外での色変化のしやすさも確認しておきましょう。

吸水率の測定方法(JIS規格に基づく実務解説)

吸水率はJIS規格(例えば JIS A 5003 等)に基づき測定されます。実務では代表的な部位から試験片を採取して測定しますが、概要は次の通りです。

  1. 供試石材から代表的な部分を選び、試験片を作る(通常 10cm × 10cm × 20cm の直方体)。
  2. 試験片を乾燥させて質量を測定(乾燥質量)。
  3. 試験片を水に浸漬(48時間程度)して十分に飽和させる。
  4. 水から取り出して表面の水を拭き取り、再び質量を測定(飽和質量)。
  5. 吸水率(%)=(飽和質量 − 乾燥質量)÷ 乾燥質量 × 100

上記は簡略化した説明です。試験は現場で任意に行うより、信頼できる試験機関や採石場のデータで確認するのが一般的です。試験片採取は石材の出荷前・契約前に行うことが望ましいです。

実務的な目安と石種の選び方

吸水率の目安は石種ごとに異なりますが、花崗岩(御影石)で0.4%以下が良好の基準とされることが多いです。これはあくまで一つの基準で、最終判断は吸水率・強度・現地の気候条件・施工方法を総合して行います。

見本確認と現物チェック

実際に石を選ぶ際は、現物サンプルを複数比較することをおすすめします。石目の密度、手触り、色味、光沢性を見比べ、長期にわたる変化イメージを職人と共有しましょう。長沼石材店ではサンプルの提示や、必要に応じて採取元のデータ確認を行います。(内部リンク:みかげ石ってどんな石?

加工・施工面の配慮

同じ石でも加工方法や施工の仕方で耐久性が変わります。例えば適切な基礎工事や排水設計がなければ、吸水率が低い石でも水が滞留して劣化を早めることがあります。私たちは基礎設計・排水計画も含めて総合的にご提案します。(内部リンク:石塔が出来るまでの流れ

まとめ:数値だけでなく「石を見る」ことが大切です

吸水率や強度は重要な判断材料ですが、最終的には「石の性格」を職人が見極め、用途や設置環境に合わせた選択をすることが肝心です。長沼石材店では、データと現場経験の両方から最適な石をご提案します。墓石の長寿命化をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。(内部リンク:長沼石材店とは