からっ風が冷たくなってきた今日この頃
2月も下旬に入り、高崎では朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。榛名山や赤城山の方から吹き降ろしてくる空っ風が、現場では身に染みる季節です。
この時期になると、お客様から「お墓を建てたいんだけど、いつ頃がいいのかしら?」というご相談をよくいただきます。春のお彼岸に間に合わせたい方、お盆までに完成させたい方、年内に何とかしたいという方まで、お話を伺うと皆さんそれぞれの想いがあります。
今日は、長年この仕事をしてきた経験から、お墓を建てるのに適した季節や時期について、現場の事情も含めてお話しさせていただきます。
お墓を建てる時期に決まりはありません
まず最初にお伝えしたいのは、お墓を建てる時期に仏教的な決まりはないということです。法律的な制約もありません。ですから基本的には「いつでも大丈夫」なんです。
とはいえ、実際にはお彼岸やお盆、年回忌などの法要に合わせて建墓される方が多いのは確かです。高崎や前橋では、春のお彼岸前の2月から3月、それからお盆前の6月から7月にかけて、お墓づくりのご相談が集中する傾向があります。
ただ、私たち石工の立場から見ると、季節によって施工のしやすさが大きく変わってくるんです。真冬の凍結や真夏の高温は、基礎工事のコンクリートに影響を与えますし、職人の作業効率にも関わってきます。
そういった現場の事情についてはお墓はいつ建てるのか?でも触れていますが、ここではもう少し詳しくお話しします。
春の建墓 ― 気候も気持ちも安定する時期
個人的に、春は一年で最もお墓づくりに適した季節だと思っています。
3月に入ると霜が降りなくなり、気温も安定してきます。地面の凍結を心配する必要がなくなるので、基礎工事が安心して進められるんです。コンクリートの養生にも丁度いい気温で、硬化不良の心配が少ない。
吉岡町や榛東村の墓地でも、この時期は施工がスムーズです。春のお彼岸を前に、ご家族が集まりやすいというのも大きなポイントです。遠方にお住まいのご親戚も、お彼岸なら集まりやすいとおっしゃいます。
ただし、春は人気の時期です。特に3月から4月は予約が埋まりやすいので、できれば年明けのうちにご相談いただけると安心です。実際、1月2月にご相談いただいて、春彼岸前に完成というスケジュールを組むことが多いです。
夏の建墓 ― お盆に向けた準備として
「お盆までに何とか完成させたい」というご相談は、毎年5月頃から増えてきます。
夏場の施工で気をつけているのは、何といっても暑さです。真夏の直射日光下では、石材の表面温度が50度を超えることもあります。据え付けの際に石を持つ職人の手にも負担がかかりますし、接着剤の硬化速度も変わってきます。
ですから私たちは、朝の涼しいうちに作業を始めて、日中の最も暑い時間帯は基礎工事など別の作業に回すようにしています。安中市や富岡市での施工でも同じです。
コンクリートについても、夏場は水分の蒸発が早いので、こまめな散水で養生するなど細かな配慮が必要になります。品質を保つために、いつもより神経を使う季節ですね。
ただ、お盆前に納骨や開眼法要をしたいというお気持ちはよく分かります。そういう場合は、できれば4月か5月のうちにご相談いただければ、余裕を持った施工計画を立てられます。
秋の建墓 ― 地盤も安定する好条件
秋も春と並んで、お墓づくりに適した季節です。
9月の秋彼岸を過ぎると、台風シーズンも落ち着いてきます。地盤が締まって安定しているので、基礎工事にはとてもいい条件なんです。湿気も少なくなるので、コンクリートの養生にも向いています。
渋川市など標高の高い地域では、冬が早く来るので、秋のうちに施工を済ませたいというご相談も多いです。11月に入ると朝晩冷え込んできますから、10月中旬までには着工できるとベストです。
年内に完成させて、年明けから気持ちよくお墓参りができるようにしたい、という方も多いですね。そういった場合は、夏のうちに打ち合わせを始めておくと安心です。
ただし9月は台風の影響を受けることがあります。予定していた日に雨で作業が中断することもありますので、スケジュールには少し余裕を持たせることをお勧めしています。
冬の建墓 ― 凍結との戦い
正直に申し上げて、冬場の施工は私たち石工にとって最も気を使う季節です。
一番の問題は、コンクリートの凍結です。気温が氷点下になる日が続くと、コンクリート内の水分が凍って膨張し、強度が落ちてしまうんです。基礎工事はお墓の値段や費用の中でも見えない部分ですが、お墓の寿命を左右する最も大切な工程です。ここで手を抜くわけにはいきません。
ただ、最近は凍結防止剤を混ぜたり、養生シートで覆って保温したりと、技術的な対策も進んでいます。雪が少なく比較的穏やかな冬であれば、施工は可能です。
昨年の冬も何件か施工させていただきましたが、毎日の天気予報とにらめっこしながら、慎重に工程を組みました。暖かい日を選んで基礎を打ち、しっかり養生する。そういう細かな調整が必要になります。
もし冬場に施工をお考えでしたら、まずは現場の状況を見せていただいて、可能かどうか判断させていただきます。無理な時期には正直にお伝えしますので、遠慮なくご相談ください。
現場で感じる「建て時」のこと
ここまで季節ごとの特徴をお話ししてきましたが、一番大切なのは「ご家族の気持ちが固まった時」だと私は思っています。
先日も、お客様からこんな言葉をいただきました。「父が亡くなってもう3年。ようやく気持ちの整理がついて、お墓を建てる決心ができました」と。そういうお話を伺うと、時期云々より、ご家族の心の準備が整うことが何より大切なんだと感じます。
ただし、法要や納骨の日程が決まっている場合は、逆算して計画を立てる必要があります。石塔が出来るまでの流れでも書いていますが、打ち合わせから完成まで、最低でも2か月、できれば3か月は見ていただきたいです。
特に春彼岸やお盆前は予約が混み合いますので、4か月前くらいからご相談いただけると、余裕を持った施工ができます。
地域ごとの気候の違いも大切です
同じ群馬県内でも、地域によって気候はずいぶん違います。
例えば渋川市や榛東村は標高が高いので、平地の高崎市や前橋市より冬の訪れが早いです。秋の施工期間も短くなりますから、計画は早めに立てる必要があります。
逆に高崎市街地や前橋市街地は、比較的温暖で施工期間も長く取れます。ただし夏の雷は激しいので、夏場は天候の変化に注意が必要です。
墓地の環境も影響します。日当たりの良い南向きの墓地と、木々に囲まれた北向きの墓地では、コンクリートの乾き方も変わってきます。現地を見させていただいて、その土地に合った施工方法を提案させていただいています。
よくいただくご質問
大安や仏滅は気にした方がいいですか?
仏教的には、お墓を建てるのに吉凶の日取りはないとされています。ただ、お気持ちの問題として六曜を気にされる方もいらっしゃいます。
私の考えとしては、ご家族が納得できる日を選ぶのが一番だと思います。大安だから良いお墓ができるわけでもなく、仏滅だから悪いお墓になるわけでもありません。大切なのは、丁寧な施工と真心です。
冬でも本当に建てられますか?
条件次第では可能です。雪が少なく、気温が極端に下がらない年であれば、凍結防止の対策を取りながら施工できます。
ただし、どうしても春や秋に比べると工期が長くなったり、天候待ちの日が増えたりします。お急ぎでない場合は、春まで待たれることをお勧めすることもあります。現場を見せていただいて、正直にお話しします。
お彼岸やお盆に間に合わせたいんですが
春彼岸なら年明けのうちに、お盆なら4月か5月にはご相談ください。
特に春とお盆前は予約が集中しますので、早めの準備が安心です。施工期間は通常1か月から2か月程度ですが、石材の在庫状況や天候にも左右されます。余裕を持ったスケジュールを一緒に考えましょう。
施工にはどのくらい日数がかかりますか?
墓地の状況や石材、デザインによって変わりますが、着工から完成まで大体1か月から2か月です。
基礎工事でコンクリートを打ってから、しっかり固まるまで2週間ほど養生期間が必要です。その後、石材を据え付けて、文字を彫って、仕上げをして。丁寧な仕事をするには、それなりの時間がかかります。詳しくは石塔が出来るまでの流れをご覧ください。
梅雨時期は避けた方がいいですか?
梅雨でも施工は可能です。ただ、連日雨が続くと作業が中断することがあります。
基礎のコンクリート打設は晴れた日を選びますし、石材の据え付けも雨の日は避けます。スケジュールに余裕を持たせれば対応できますので、まずはご相談ください。むしろ梅雨明けの7月の方が、気温が高すぎて施工に気を使うこともあります。
家族の想いに寄り添って
ここまでいろいろと書いてきましたが、結局のところ「思い立った時が建て時」なのかもしれません。
父の代から数えても、私たち長沼石材店は何百というご家族のお墓づくりに携わってきました。その中で感じるのは、皆さんそれぞれに建墓への想いや事情があるということです。
気候や工事の都合も確かに大切ですが、一番大切なのはご家族の気持ちです。「そろそろ建てたいな」と思われた時が、その家族にとってのベストタイミングなんだと思います。
私たちにできるのは、その想いを受け止めて、現場の条件や季節の特性を踏まえた最適な方法を提案すること。そして何より、見えない基礎の部分までしっかりと手を抜かず、後世まで残るお墓をつくることです。
高崎市金古町から、高崎市内、前橋市、安中市、富岡市、榛東村、吉岡町、渋川市と、この地域のことは土地勘があります。長沼石材店は創業100余年、地域に根ざした石材店として、これからもご家族に寄り添ったお墓づくりを続けていきます。
「いつ頃建てたらいいか分からない」「法要に間に合わせたい」「家族で相談したいんだけど」といったご相談、いつでもお待ちしています。お電話でも、メールでも、LINEでも構いません。まずはお話を聞かせてください。
高崎・前橋エリアのお墓のことは長沼石材店へ
創業百余年、5代目の私が責任を持って対応させていただきます。
小さなお困りごとでも、まずはお話を聞かせてください。
