こんにちは、高崎市金古町で創業百余年、長沼石材店5代目の長沼功一です。いつも当店のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
3月も下旬に入り、ようやく上州名物の「赤城おろし」が少しずつ和らいできたように感じますね。高崎や前橋の桜も、蕾が今か今かと膨らんでいる頃でしょうか。お彼岸でお墓参りに行かれた方も多いと思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今日は最近お問い合わせが増えている「お墓の地震対策」について、プロの視点でお話ししたいと思います。実はこれ、私が一番「魂を込めている」部分でもあるんです。
「群馬は地震が少ないから大丈夫」という油断が一番怖い
よくお客様から「群馬は大きな地震が少ないから、そこまで心配しなくていいよね?」というお言葉をいただきます。確かに、他県に比べれば記録的な大震災は少ないかもしれません。でも、石屋としての私の経験では、決して「大丈夫」とは言い切れないんです。
お墓というのは、平らで滑らかな石を積み上げているだけの構造です。たとえ震度がそれほど大きくなくても、長年風雨にさらされた接着面が弱くなっていたり、昔ながらの施工で石をただ載せてあるだけだったりすると、わずかな揺れの蓄積で少しずつ「ズレ」が生じます。
「あの時の地震で少し動いた気がするけれど、まだ立っているからいいか」
その小さな放置が、次の揺れでの倒壊を招いてしまう。現場で倒れてバラバラになったお墓を見るのは、石屋として本当に心が痛みます。直すのにも、新築するのと変わらないような費用がかかってしまうこともありますからね。
見えないところにこそ、石屋の良心が宿る
私は家業の石屋になる前に住宅関連の企業に勤めていた経験もあり、CADで設計図を引くこともあれば、一級石材施工技能士として現場で泥にまみれて作業もします。その中で確信しているのは、お墓で最も大事なのは「見えなくなる部分」だということです。
お墓の耐震施工は、完成してしまうと外からはほとんど分かりません。でも、だからこそ、そこで手を抜くことは絶対にできないんです。これは「石を売るのではなく、家族の絆をつなぐお手伝いをする」という私の信条そのものでもあります。
長沼石材店がこだわる3つの耐震ポイント
当店では、地域の地盤(例えば砂地の多い吉岡町や、揺れが伝わりやすい山沿いなど)に合わせて、以下のような施工を組み合わせています。
1. 墓石専用の耐震ボンドとステンレス金具
昔はセメントだけで接着していましたが、今は経年劣化に強い石材専用ボンドを使います。さらに、石の角や外柵の継ぎ目にはステンレス製の補強金具を打ち込みます。石が「開こう」とする力にガッチリ抵抗してくれる、頼もしい存在です。
2. 揺れを吸収する「免震パッド」
これは石と石の間に挟む特殊なゲル状のパッドです。揺れを逃がす、いわば「お墓のクッション」ですね。高崎市内の墓所でも、この工法を取り入れてから「安心感が違う」とのお声をいただいています。
3. 地面の下、コンクリート基礎の強化
一番大事なのがここです。どんなに高級なみかげ石を使っても、足元が弱ければ倒れます。当店では、地盤をしっかり転圧し、鉄筋を組んだベタ基礎を標準としています。見えなくなってしまう場所ですが、ここを疎かにするのは石工として失格だと思っています。
現場での忘れられないエピソード
以前、榛東村のお客様から「古いお墓が傾いている気がする」とご相談を受けました。調べてみると、昔の簡易的な基礎で、雨水が入り込み土が流れてしまっていました。ご予算の都合もありましたが、お客様の「ご先祖様をこれ以上不安な場所にいさせたくない」という想いに触れ、私も気合が入りました。
一度石を解体し、基礎からやり直して耐震施工を施しました。作業中、先代(私の父)の時代の仕事跡を見つけることもあります。当時は今のような便利なボンドはありませんでしたが、それでも工夫して頑丈に作ろうとした跡が見えると、背筋が伸びる思いがしますね。
完成後、お客様が「これで夜に地震があっても、お墓の心配をせずに眠れるよ。ありがとう」と仰ってくださった時の笑顔は、今でも私の原動力です。
まずは「健康診断」だと思って点検を
私も先日、厄年ということもあって胃カメラを飲んできましたが、結果が「異常なし」だと分かると本当にホッとしますね。お墓も同じです。何もなければ、それでいいんです。
「自分のお墓はどうかな?」と不安になったら、まずは以下のポイントをチェックしてみてください。
- 石と石の間に隙間ができていないか
- 外柵(お墓の囲い)に大きなヒビが入っていないか
- お供え物の水が、いつも同じ方向に流れていないか(傾きの兆候です)
気になることがあれば、お散歩ついでにでもお声掛けください。無理な営業は致しません。ただ、地域の石屋として「あそこなら安心して任せられる」と思っていただける存在でありたい。ついさっきも、そう自分に言い聞かせたところです(笑)。
お墓の詳しい工法や流れについては、石塔が出来るまでの流れでもご紹介しています。また、古いお墓をリフォームして守っていきたいという方は、墓石リフォームの解説記事も参考にしてみてください。
まとめ
お墓は、亡くなった方と残された家族が対話する大切な場所です。その場所が「危険な場所」であってはいけません。地震への備えは、ご先祖様への最高の供養であり、後に続くご家族への優しさでもあります。
群馬の厳しい夏や、凍てつく冬を越えてきた石たち。それらを次の世代にしっかり引き継ぐためのお手伝いを、これからも誠実に続けていきたいと思います。何かあれば、いつでもお問い合わせフォームやLINEでお気軽にメッセージをくださいね。お墓の写真をお送りいただければ、より具体的なお話もできるかと思います。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。体調管理にはくれぐれもお気をつけくださいね。
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小さなお困りごとでも、まずはお話を聞かせてください。
