こんにちは。高崎市金古町で創業百余年、長沼石材店の5代目・長沼功一です。
4月も下旬に差し掛かり、榛名山から吹き下ろす赤城おろしがようやく牙を収め、金古の町には柔らかな春風が漂い始めました。庭先の花々が一斉に色づくこの時期、私たちは冬場に凍み上がったお墓の点検や、春の法要に向けた現場を慌ただしく駆け回っています。
さて今回は、「石屋さんに聞いていいのかな」と思いながらも、実はいちばん聞きたかった話をさせてください。それが、お位牌のことです。
ここ数年、お墓の建立にあわせて「四十九日の準備もどこに頼めばいいか分からなくて」と相談してくださるお客様が増えています。石屋として、お墓の先にある「家の中の供養」まで寄り添えないか——そう思いながら、お位牌のご注文も少しずつお受けするようになりました。
よくあるご相談:七七日忌が近づくにつれて募る不安
「葬儀の時にいただいた白木の位牌、このままでも大丈夫なんでしょうか」
「お仏壇が小さいのですが、それに合うサイズはありますか」
こういったお声を、高崎市内はもちろん、吉岡町や榛東村のお客様からもよく伺います。初めて喪主を務められた方はとくに、葬儀後のバタバタの中でお位牌の準備を後回しにしてしまい、「気づいたら四十九日まであと2週間しかない」と青ざめてご来店になることも一度や二度ではありません。
正直に申し上げると、私自身も祖父の葬儀の時に似たような経験をしています。「石屋の息子なんだから慣れているだろう」と思われるかもしれませんが、いざ身内のこととなると、手順が頭から飛んでしまうんですよ。その時の焦りがあるから、今は少しでも早く「次にすべきこと」をお伝えしたいと思っています。
白木の位牌をなぜ作り替えるのか
お葬式の際に祭壇に飾られるのは、「野位牌(のいはい)」と「本位牌(ほんいはい)」呼ばれる白木製の位牌です。これを多くの場合、七七日忌(四十九日)の法要——いわゆる「忌明け」——までに、漆塗りや唐木(からき)で作られた「本位牌」へ作り替えるのが一般的です。
なぜかというと、白木というのは素材として美しいのですが、月日が経つと乾燥で反り、手垢や埃、お線香の煙で汚れが目立ち、文字が薄れてくることがあります。石材屋として、木の持つ「仮の素材」としての性質を目の当たりにしてきたからこそ、「しっかりしたものに作り替える大切さ」は身に染みています。
私たちが「なぜお墓を石でつくるのか」という問いに「末永く続く供養のためです」とお答えするのと同じ理由で、お位牌もまた、故人様の魂が宿る「依代(よりしろ)」として、長く受け継いでいける素材と仕上げが求められるんです。
お位牌の種類:3つのタイプとその特徴
お位牌には大きく3つのタイプがあります。ご予算やお仏壇の雰囲気に合わせてお選びいただけますが、「どれが正しい」というものはありません。ご家族が毎日手を合わせやすいかどうか——私はいつもそこを基準にお話ししています。
① 塗位牌(ぬりいはい)
漆を丁寧に塗り重ね、金粉や金箔で装飾を施したお位牌です。最も格式が高く、伝統的な黒塗りのお仏壇によく馴染みます。長年使い込むほどに漆の深みが増し、しっとりとした風格が出てくるのが特徴です。高崎や前橋の旧家のお仏壇には、この塗位牌が多い印象があります。
② 唐木位牌(からきいはい)/黒檀・紫檀
黒檀(こくたん)や紫檀(したん)といった、重厚で硬い銘木の木目を活かした位牌です。塗料ではなく木そのものの色と質感が表情になるので、年月が経っても色褪せにくく、耐久性は3種類の中でも群を抜いています。石の仕事をしていると、「素材の本質的な強さ」というものへの敬意が自然と育まれるのですが、唐木位牌を手にするたびにその感覚を思い出します。落ち着いた空間に置くと、存在感がありながら主張しすぎない——そのバランスが好きです。
③ モダン位牌
現代の住空間や家具調のお仏壇に合わせた、シンプルで洗練されたデザインのお位牌です。ナチュラルな木材やガラスを用いたものもあり、「和室がない」「マンションに住んでいる」というお客様から選ばれることが多くなっています。「こんな形でいいのか」と最初は戸惑うお客様もいらっしゃいますが、大切なのは毎日手を合わせることができる形であること——その気持ちは変わらないですよね。
サイズ選びで失敗しないために:まずここだけ確認してください
「どんな位牌を選べばいいか分からない」という方に、私がいつも最初にお願いしていることがあります。
① 今あるお位牌の高さを測る
ご先祖様のお位牌がすでにある場合は、そのサイズを基準にするのが自然です。新しく作るお位牌が極端に大きかったり小さかったりすると、並べた時のバランスが崩れます。
② お仏壇の「中段」の高さと幅を確認する
お仏壇の内部寸法を無視して発注してしまい、扉が閉まらないというトラブルは実際にあります。中段(お位牌を置く段)の高さより、お位牌の寸法が少し低くなるのが理想です。
「測り方がわからない」という方は、今のお仏壇とお位牌のお写真をLINEで送っていただければ、私の方から確認してアドバイスします。実物を見ずに発注して後悔したというケースも見てきましたので、遠慮なくご連絡ください。
文字入れの話:石屋だからこそ分かる、一字の重み
お位牌を作る上で、最も神経を使うのが戒名(法名・法号)の文字入れの工程です。彫り(機械彫り・手彫り)か、書き(金箔書き)かによっても仕上がりの印象が大きく変わります。
私たちが日々行っている石碑への文字追加彫刻と同様に、一字でも間違えれば取り返しがつきません。戒名は複雑な漢字が多く、お寺様からいただいた「白木の位牌の文字」を正確に読み解くことが出発点になります。「自分で読めるかどうか不安」という方は、白木の位牌ごと持ってきていただければ、私が確認します。
文字入れを含めた制作期間は、通常10日から2週間程度かかります。春(お彼岸・四月の法要シーズン)や秋(お彼岸・お盆前後)は注文が集中するため、これ以上お時間をいただくこともあります。
「まだ四十九日まで3週間あるから大丈夫」——その油断が一番のリスクです。ギリギリのご依頼では、ご希望の素材が選べなくなることもあります。
お墓はいつ建てるのかという記事でもお伝えしましたが、供養の節目には「間に合わせる」のではなく「ゆとりを持って迎える」ことが、残されたご家族の心の整理にもつながります。
長沼石材店にご相談いただける内容
お位牌については、以下のようなご相談を承っています。
- 葬儀後、白木の位牌から本位牌への作り替えをしたい
- 古いお位牌の文字が薄れてきたので、新しくしたい
- お墓の建立にあわせて、お位牌もひとつの節目として整えたい
- 高崎・前橋・吉岡・榛東周辺で、信頼できる相談先を探している
お位牌が完成した後の「開眼供養(魂入れ)」についても、地元のお寺様との繋がりを活かして、どのタイミングでどのようにお願いすればいいかまでお話しします。「地元の石屋だから顔が見える」というのは、こういうところで力を発揮できると思っています。
日々の墓地施工の現場で培ってきた素材を見る目で、仕上がりの良いお位牌を厳選してご提案します。また、納骨式の流れについてはこちらの記事で詳しくまとめましたので、法要の全体像を把握したい方にも参考にしていただけると思います。
まとめ:お位牌のことも、石屋に聞いてください
お位牌は、亡くなった方と私たちをつなぐ、大切な心の拠り所です。石の仕事を通じて「形に残すことの意味」と向き合ってきた私たちだからこそ、お位牌一つひとつにも同じ真剣さで向き合えると思っています。
「こんなこと、石屋さんに聞いていいの?」——その遠慮は要りません。高崎、前橋、吉岡町、榛東村エリアの皆様の供養にまつわるご相談は、お墓のことでも仏具のことでも、長沼石材店の守備範囲です。
高崎・前橋エリアのお墓・お位牌のことは長沼石材店へ
創業百余年、地域に根ざした石材店として、お客様の心に寄り添う施工を心がけております。お見積もりや現地確認は無料です。まずはお気軽にご相談ください。



