樹木葬・合葬墓・永代供養墓の違いと選び方|墓じまいを考えるご家族へ【高崎市の石屋が解説】

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五月になり、高崎も日中は半袖で過ごせる陽気になってきました。赤城おろしがようやく落ち着いて、榛名山の稜線がくっきり見え始めるこの季節、霊園の参道でお墓参りをされるご家族の姿をよく見かけます。お彼岸やゴールデンウィークで久しぶりに家族が集まったのがきっかけで、「そろそろお墓のこと、ちゃんと話し合わないとね」という気持ちになる方が多いんじゃないかと思います。

最近、こういうご相談が増えています。「子どもが東京に出てしまって、お墓の管理を誰が続けるか不安で」「実子が娘だけだから、嫁ぎ先との折り合いをどうつけるか」「墓じまいを考えているけど、樹木葬とか合葬とか、違いがよくわからなくて踏み出せないんです」。

正直に言いますね。私自身も十年ほど前まで、「永代供養」と「合葬墓」と「納骨堂」をあいまいに混同したままお客様に説明してしまったことがあって、後から冷や汗をかいた記憶があります。それだけ、この分野はわかりにくい。専門家でさえ一瞬混乱するくらいですから、初めて調べる方がパニックになるのは当然なんです。今日はそのあたりをできるだけ噛み砕いてお伝えしたいと思います。

緑に囲まれた霊園の参道

緑に包まれた霊園の参道。五月の光の中、静かに手を合わせる方の姿が増えてきます。

まず「墓じまい」とは何かを整理しておきます

「墓じまい」という言葉、ここ数年ニュースなどでよく見かけるようになりましたね。ただ「お墓をなくすこと」と理解している方が多くて、そこが誤解のもとになっています。

正確に言うと、墓じまいというのは今あるお墓の石塔・外柵を撤去・解体して更地に戻し、ご遺骨を別の場所に移す手続きのことです。行政的には「改葬」といいます。お墓をなくして終わりではなく、ご遺骨には必ず次の行き先が必要なんです。

その「次の行き先」として選ばれることが多いのが、樹木葬、合葬墓、永代供養墓、納骨堂といった選択肢です。ここからそれぞれの違いを見ていきましょう。なお、墓じまいの手続きの流れそのものについては、「お墓じまいの流れ完全ガイド|8つのステップで安心準備」という記事に詳しく書いていますので、手順が気になる方はそちらも参考にしてみてください。

樹木葬・合葬墓・永代供養墓・納骨堂、それぞれの違い

よく「樹木葬にしたい」とご相談いただくんですが、お話を聞いていくと「自然に還れるイメージが好き」という方と「管理が楽そうだから」という方で、実は求めているものが全然違ったりするんですね。まず一つひとつ整理しておきます。

樹木葬とは

樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花をシンボルとしてご遺骨を埋葬する形式です。大きく分けると「里山型」と「公園型(ガーデン型)」があります。

里山型は自然林の中にご遺骨を埋葬するもので、本当に土に還るイメージです。公園型は霊園の中に専用区画を設けて、草花や低木のそばに埋葬するもので、前橋市近郊でもこちらのタイプが増えてきました。

注意しておきたいのは、「個別区画あり」と「合祀(合葬)タイプ」のふたつがあることです。個別区画のあるものは一定期間(多くは17年・33年など)ご遺骨を個別に安置して、その後に合祀になるケースが多いです。最初から合祀のものより費用は高めになりますが、しばらくは「○○さんのお墓」として手を合わせる場所があります。

項目 目安
初期費用 30〜150万円(区画の広さや立地による)
年間管理料 無料〜1万円程度(施設による)
後継者 不要(永代供養がセットのものがほとんど)

合葬墓(合祀墓)とは

合葬墓は、複数の方のご遺骨を一つの納骨スペースにまとめて埋葬する形式です。骨壺から出して、他の方のご遺骨と一緒に埋葬されます。

一度合葬されると、ご遺骨を取り出すことは基本的にできません。「もし気が変わったら取り出せますか?」とよく聞かれるんですが、合葬後はそれができないので、ご家族でよく話し合ってから決めていただくことをおすすめしています。これが後述する納骨堂との大きな違いです。

費用は選択肢の中で比較的安く抑えられます。市区町村が運営する合葬墓であれば数万円から、民営でも10〜30万円程度が多いです。後継者不要で管理の手間もなく、費用を低く抑えたい方には合っている選択肢です。

項目 目安
初期費用 3〜30万円
年間管理料 無料〜数千円程度
後継者 不要
遺骨の返却 原則不可

永代供養墓とは

ここが一番誤解されているポイントで、私も現場で何度もご説明してきたんですが、永代供養というのは「お墓の形」ではなく、「供養の仕組み」のことなんです。

「永代供養墓」というのは、お寺や霊園が契約者に代わって永続的に供養・管理してくれるお墓の総称です。つまり、樹木葬でも合葬墓でも、施設側が管理・供養を引き受けてくれるものであれば「永代供養付き」と言えます。スコップで言えば、永代供養は「スコップの素材(機能)」であって、形は剣スコでも角スコでもいい、そういうイメージです。

納骨の形は施設によってさまざまで、個別安置型(一定期間は骨壺ごと個別に収蔵)、集合型(同じ墓所内で個別スペースあり)、合祀型(最初から合葬)があります。

お墓の引っ越しを伴うご相談では、移転先として永代供養墓を選ぶ方も増えています。改葬の手続きについては「お墓の引越し・移転」のページに整理していますので、合わせて確認してみてください。

納骨堂とは

納骨堂は、建物の中にある納骨用の施設です。仏壇型、ロッカー型、自動搬送型などいろいろあって、首都圏を中心に増えてきました。

骨壺のまま個別に収蔵されることが多く、合葬墓と違って後からご遺骨を取り出すことができます。ただし、使用期間が設定されているものが多く(13年・33年など)、期間が過ぎると合祀になるケースがほとんどです。

屋内なのでお参りが楽、というのは大きなメリットですね。足腰が弱くなったご家族でも安心してお参りできます。一方で、施設が閉鎖になるリスクや、駅近などの立地が良い分、費用が高めになることもあります。

どれを選んだらよいのか、私の考え

以前、吉岡町のご家族からこんなご相談がありました。80代のお母様が「自分が死んだあとのことが心配で、夜も眠れない」とおっしゃっていて、娘さんが「実子は私一人で、すでに嫁に出ているし、兄弟もいないから」と。

最初は「樹木葬にしたい」とおっしゃっていたんですが、話を聞いていくと、お母様の一番の気持ちは「自然に還りたい」ではなく、「ちゃんと手を合わせてもらえる場所があってほしい」だったんです。「お墓参りに来てもらえる場所を残しておきたい」という想い。それに気づいたとき、選択肢が変わりました。

最終的に選んだのは、個別区画のある永代供養墓でした。一定期間は個別に手を合わせる場所があって、その後は合祀になる。娘さんも「これなら母が安心できるし、私も無理なくお参りできる」と納得してくださいました。ご親族の話し合いを経て、前向きな選択ができた例のひとつです。

選ぶときの軸を整理すると、こういう見方ができます。

優先したいこと 向いている選択肢
お参りの場所を残したい 個別区画のある樹木葬・永代供養墓・納骨堂
費用をできるだけ抑えたい 合葬墓、または公営の永代供養施設
将来的に遺骨を取り出せるようにしたい 納骨堂(個別収蔵型)
後継者・管理の手間をなくしたい 永代供養付きのいずれか

墓地選びそのものについて、地域ごとの事情も含めて詳しく書いた記事があります。「ご家族に寄り添う墓地選び|地域に根ざした石材店のサポート」も参考にしてみてください。

「戻せない」と後悔しないために、確認してほしいこと

墓じまいと合葬に関して、私が現場で一番多く聞くのが「改装してから後悔した」というお話です。

特に多いのが、お父様が亡くなった後に長男さんが「費用がかかるから」と合葬墓に決めてしまい、後から「お母さんはそれを知っていたのかな」「お墓参りに行く場所がなくなってしまった」と後悔されるケース。あるいは、施設側の説明をよく聞かずに「永代供養だから管理は全部お任せ」と思っていたら、実は年間管理料が必要で、払えなくなったときに合祀になるという契約内容だったケース。

胃カメラの検査結果と同じで、「まあ大丈夫だろう」と思って聞き流してしまうと後で困るんですよね。確認しておきたいのは、主にこの4点です。

  1. 合祀になる条件とタイミング(何年後か、または管理料未払いで自動的に合祀になるか)
  2. ご遺骨を取り出せるか否か(合葬後は原則取り出し不可)
  3. 施設の運営母体と継続性(民営か公営か、寺院が運営しているか)
  4. 家族の総意があるか(特に実子・兄弟間で意見が分かれていないか)

4番目が意外と見落とされるんですが、実際にもめやすいのはここです。「決めたのはお兄さんだけど、私は聞いていなかった」「お父さんの遺骨を合葬したら、お母さんが怒ってしまって」というご相談を、実際に受けたことがあります。少子化が進んで家族の形が多様になったいま、親族間の話し合いをどう進めるかが、前向きな選択への一番の近道だと感じています。

お墓の相続や承継に関わるルールについては、「お墓の相続について」のページにまとめています。法律的な背景も知っておくと、話し合いの土台が固まりやすいですよ。

墓じまいをするとき、石屋の仕事はどこか

「墓じまいって、お坊さんとお役所に連絡すればいいんですか?」とよく聞かれます。手続きの窓口はそうなんですが、実際にお墓を解体・撤去して更地に戻す作業は、私たち石材店の仕事です。

高崎市・前橋市・渋川市・安中市・富岡市・吾妻郡・桐生市など、各地の霊園・寺院墓地での撤去工事に対応しています。現地の地盤や搬入路の状況をしっかり確認してから作業しないと、隣のお墓に傷をつけてしまったり、土台の石が思ったより深く入っていて工期が延びたりすることがあるんです。

以前、榛東村の共同墓地で墓じまいの工事をしたとき、芝台の下からさらに大きな石が出てきたことがありました。ハンマードリルを止めて、セリ矢を入れながら慎重に割っていく作業になって、石を砕く手応えと音の重さで「これは先代が相当しっかり据え付けたんだな」とすぐにわかりました。仕事が丁寧だったということで、それはそれで誇らしい気持ちになりましたが、お施主様には工程の変更をお伝えしてご迷惑をおかけしました。現地調査はやはり大切です。高崎の粘土質の土壌では、基礎石が想定以上に深く食い込んでいることも珍しくないので、見積もりの段階でしっかり確認するようにしています。

墓じまいの相談については「墓じまいをお考えの方へ|高崎市・前橋市・渋川市周辺での実績と安心サポート」、また既存のお墓の移転を伴う場合は「墓石の移転・改葬|高崎・前橋・吉岡・榛東のご相談対応」もあわせて読んでいただけると、イメージが具体的になると思います。

墓じまい撤去工事

墓じまい撤去工事

丁寧な現地調査のもと、隣接墓所に配慮しながら施工します。

「跡取りがいないから」だけで決めてほしくない

最後に、少し個人的な話をさせてください。

「跡取りがいないからお墓は持てない」とおっしゃる方が、本当に多くなりました。少子化の流れの中で、そう感じるのは自然なことだと思います。でも私は「後継者がいないからこそ、どんな形で供養が続くかをしっかり選んでほしい」と思っています。

合葬墓も樹木葬も、納骨堂も、それぞれに意味があります。「費用が安いから」「管理が楽だから」だけで選ぶのではなく、「自分はどういう形でこの世に存在してきたか」「残されたご家族にどんな気持ちでいてほしいか」を考えてから決める。そのうえで、費用や管理の現実と照らし合わせる。先祖を大切にしてきた地域の文化の中で、その想いを次の世代に無理なく繋いでいく形を、一緒に考えるのが私の仕事だと思っています。

「石を売るのではなく、家族の絆をつなぐお手伝い」という言葉を先代から引き継いで、私なりに解釈するとそういうことになります。

宗教観や弔いの形が変わりつつある今の時代の背景については、「こんにちの宗教観と弔いの仕方と変化」という記事にも書いていますので、「なぜこういう多様な選択肢が生まれたのか」を知りたい方はぜひ読んでみてください。

樹木葬・合葬墓・永代供養墓の違いについてもう少し知りたい方、今あるお墓をどうするか悩んでいる方、まずはお気軽にご連絡ください。電話でも、LINEのメッセージでも、「ちょっと聞きたいだけなんだけど」で十分です。


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