ファイト 一発!!
なかなかよくならない体調にいよいよ嫌気がさしてきた私は、アパートのほぼ向かいにある薬局兼スーパーといえるお店で【リ○ビタンD】を三本セットで購入しました。
さっき一本飲みました。
三本で400円ちょっとでした。
一緒の棚には一本で1000円もする栄養ドリンクも並んでいました。
きっとそっちがより効くんでしょうけれど、私には過去に効き過ぎた思い出があり、手が出ませんでした。
それはおよそ6年前の春の出来事です。
大学を卒業直前の私は入社が決まっていた会社の新人研修に参加しました。全国から集まる研修なので、その年のわが支社の順番が卒業前の時期に段取られたためです。
参加したのは同期入社の仲間たち。場所は静岡県でした。我々の他には千葉・静岡・福島・秋田の各支社といった面々が同じ回の研修となりました。
10日間の缶詰状態でギッチリと時間割が立てられ、夜も10時近くまで講義がありました。
そこで最終日には教わった会社の仕組みや自社製品・他社製品の知識、一般社会人のマナーなどのテストがあるとの事です。教わったことがすぐにテストで試されるのです。もちろん不合格となれば再テスト。合格するまでは試用期間のまま。再研修の可能性もあるという厳しさです。
(今、振り返れば当然だ。と言い切れますが、当時学生気分の真っ只中の私たちには相当な重圧となりました。)
午後の講義が始まればお昼ご飯でいっぱいになったお腹が睡魔を連れてきます。派手に居眠りをしていれば、容赦無く名指しされ、立たされます。そして支社名と名前を地元の社長に報告する。とまでの言われようです。キ、キビスィよ。先生。。。
社長の書いた本も配られ、それを自由時間に出来るだけ読みなさい。と
それって、自由じゃないんじゃぁ??
などなど、束縛の多い研修では同部屋の新人たちに団結力をもたらします。
「皆で頑張ろう。」「ぜったい、出世しような。」的な、なんとも甘酸っぱい青春の一ページです。
そして最終日の前日の夜のことです。
徹夜して勉強して皆でテストをクリアしよう。といった団結の雰囲気は研修施設を覆っています。なにか、修学旅行のような気分になってきます。
唯一、普段らしい生活を感じられる、研修施設から10分ほど歩いたところにある『7-11』に夜食などを買いに行きました。
食料の他にも徹夜慣れした同部屋の新入社員は栄養ドリンクも買っていました。
私はほとんど徹夜したことが無く、夜が弱いのでその同部屋人の真似をして1000円近くするユン○ルを買いました。
部屋に戻ってそのドリンクを飲んで、さぁ、勉強です。
しかし、元来怠け癖の強い私は2時までも持たずいろんな言い訳を自分に言い聞かせてギブアップです。同部屋人に先に寝る旨を告げ、私は寝ました。
次の日、運命のテストが始まりました。午前中いっぱいは何教科かにわけてテストをし、午後はそれぞれの帰社の時間です。採点は自分の支社で聞かされるのです。
私は結果的に合格はしたのですが、テストの間中お腹の痛みと戦いながらペンを走らせていました。
流れる汗と腹筋の締まり方はいまでも甘酸っぱい思い出です。
あまり、飲みなれない高い栄養ドリンクは体が受け付けませんので、どうぞお気をつけください。ふと思い出したものにまつわる記憶ってけっこう楽しいです。