墓じまいの費用相場は31〜70万円?群馬の5代目石工が実態調査から読み解く本音の話

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参考:【墓じまい】費用は「31万円〜70万円」が最多 一方「墓じまい」をやめた人も、その理由は?(まいどなニュース 2026年4月14日)
調査元:株式会社鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」対象:733人
昨日の夜、まいどなニュース(2026年4月14日掲載)でこんな調査結果が出ていました。

「墓じまいの費用は31万円〜70万円が最多」

読みながら、思わず手が止まりました。「あぁ、これ、うちに来るお客さんの話そのままだな」と。今日はその記事をきっかけに、現場の石工として感じていることを素直に書いてみようと思います。

石を磨く音と感触は、何十年経っても飽きることがない。

「やめた理由」のほうが、ずっとリアルだった

調査によると、墓じまいを検討したものの「実施をやめた」方の理由は、「解体費用が高すぎた(22.2%)」がトップで、「親戚から理解が得られなかった(18.9%)」「手続きが面倒だった(18.9%)」が続きます。そして「先祖に後ろめたい気持ちになった(11.1%)」という声も。

この数字を見て、私は何度もうなずいてしまいました。

先週も、渋川市からいらしたお客さんが、店の入り口で少しためらうようにポツンと立っていらっしゃいました。歩み寄って話を聞くと、「お墓を管理できなくなってきた。でも、おじいちゃんが一生懸命建てたお墓だから、壊すのは…」と言葉を続けられなかったんです。

高崎の金古町界隈でも、まったく同じようなお声をいただきます。「跡継ぎがいないから整理しなきゃいけない。でも、じいちゃんが苦労して建てたこの石を壊すのは、やっぱり胸が痛むんだいね…」と。

この「後ろめたさ」、実はとても大切な感情だと私は思っています。でも、その感情のために動けなくなるのは、ご先祖様も望んではいないんじゃないかな、とも。

墓じまいは「捨てる」ことじゃない。ご先祖様の魂を、今の時代に合った場所へ「連れていく」ことだと、私は考えています。

樹木葬・合葬墓・永代供養墓といった新しい供養の形については、以前詳しくまとめた記事があります。「どれが自分の家に合うんだろう?」と迷っている方は、まず選択肢を整理することから始めてみてください。
樹木葬・合葬墓・永代供養墓の違いと選び方|墓じまいを考えるご家族へ

費用のリアル:「31〜70万円」の中身を石屋が解説します

調査では、墓じまいにかかった費用の最多が「31万円〜70万円(31.3%)」、全体の約2人に1人が70万円以下で完了しているとのことでした。

ただ、「151万円以上(14.0%)」という高額層も一定数おられます。

この幅の理由を、現場目線で少し解説させてください。

費用の内訳 目安(高崎・前橋エリアの場合)
石塔の解体・撤去・更地化 15万〜40万円(墓地の広さ・重機の要否による)
離檀料・御布施(お寺の場合) 3万〜30万円(寺院により大きく異なる)
改葬先(永代供養・納骨堂など) 10万〜100万円以上(施設のグレードによる)
役所への申請費用 数百円〜数千円(改葬許可申請書の手数料)

ここ高崎でいうと、金古町周辺の墓地は比較的アクセスのいい場所が多いですが、重機が入りにくい場所だと手作業の割合が増えてコストが上がります。一方、前橋の霊園によっては区画が広く、解体だけで相当な量の石が出る場合もあります。

よく「安い業者に頼んだら、石の処分が雑だった」という話を耳にします。石は産業廃棄物として適切に処理しなければならない決まりがあって、適当に山に捨てるようなことは許されません。費用が安すぎる場合は、処分の方法を確認することをおすすめします。

お墓の費用全体については、こちらの固定ページにもまとめてあります。
お墓の値段や費用は?

役所の手続き、一緒にやりましょう

調査で「大変だったこと」の第2位に挙がっていたのが「役所の手続き(32.3%)」でした。これ、本当によくわかります。

改葬許可申請書は、埋葬されている仏様の数だけ書く必要があります。3柱いらっしゃれば3枚。古いお墓だと記録が曖昧なこともあって、「誰が入っているか確認するところから始まる」というケースも珍しくありません。

「もう何がなんだかわからなくなっちゃって…」と、書類を手に半泣きで店に来られたお客さんもいました。そんな時、私はいつも「大丈夫です、一緒にやりましょう」とお伝えします。

高崎市役所・前橋市役所・吉岡町役場・榛東村役場・渋川市役所といった地元の窓口とのやり取りは、地元の石屋が一番慣れています。どこに何を持っていけばいいか、どんな書類が必要か、私たちが一緒に段取りを考えます。

なお、お墓に関わる法律の基礎知識については、こちらのページもご参考に。
お墓に関わる法律

親族への相談が、実は一番の難関かもしれない

調査では「墓じまいをやめた理由」として「親戚から理解が得られなかった(18.9%)」という回答も上位に入っていました。

これは費用や手続き以上に、根深い問題だと感じています。

特に遠方に住む親戚ほど、「お墓を守ってほしい」という気持ちが強かったりします。自分では管理できないのに、「壊さないでくれ」とだけ言う。現場にいる私が言うのも何ですが、これで揉める家族を何組も見てきました。

ひとつ提案があります。「墓じまいをする・しない」の結論より先に、「このお墓の将来をどうするか、家族全員で話し合う機会」を作ることが大切です。その場に、専門家(私たちのような石屋でも構いません)が同席することで、感情論になりにくくなることがあります。

無縁墓の問題や、次世代への負担を減らすための考え方については、以前の記事が参考になります。
無縁墓にならないために家族が今すぐ確認すべき5つのポイント
無縁墓問題から考える、次世代に負担を残さないための「墓じまい」と対策

今すぐやらなくていい。でも、動いたほうがいいタイミングはある

「墓じまい、しなきゃいけないですか?」と聞かれることがあります。

答えは「必ずしもそうではない」です。ただ、こういうサインが出てきたときは、早めに動き始めることをお勧めしています。

  • お墓参りに行けていない年数が、5年を超えてきた
  • 墓地の契約者(名義人)が高齢になり、判断できる間に整理したい
  • 兄弟・親族が少なくなり、「次に誰が引き継ぐか」が見えなくなってきた
  • お寺の檀家制度が重荷になってきた

逆に言えば、これらに当てはまらないうちは、焦る必要はありません。「今のうちに相談だけしておこう」という気持ちで、ふらっと来ていただくのが一番です。

改葬(お墓の引越し)の流れについては、こちらにまとめてあります。
お墓の引越し・移転

父の背中から学んだこと

少し個人的な話をさせてください。

私が石屋の仕事の本質を学んだのは、父の仕事を間近で見ていた頃です。父は寡黙な人でしたが、墓じまいの現場では必ず一度、解体前に手を合わせていました。機械で壊す前に、石に向かって何か話しかけているように見えたこともある。

「お疲れ様でした」と言っていたんだろうと、今になって思います。

石は何十年も、風雨にさらされながらご先祖様を守ってきた。その役目を終えるときに、きちんと感謝する。それが石屋の仕事だと、父の背中が教えてくれました。

私たちが墓じまいのお手伝いをするとき、その気持ちは今も変わっていません。

現場の静けさ・石との対話

現場の静けさ・石との対話

まとめ:お金の話より、まず「気持ち」の整理から

今回の実態調査で、墓じまいの費用は「31〜70万円」が最多とわかりました。ただ、現場の人間として感じるのは、費用より先に「気持ちの整理」が必要な方がとても多いということです。

「後ろめたい」という感情は、ご先祖様を大切にしてきた証です。その気持ちを持ちながら、それでも前に進もうとしているあなたは、すでに十分に孝行な人だと思います。

費用のこと、手続きのこと、親族への相談の仕方。何か一つでも不安なことがあれば、一度ご連絡ください。電話でもメールでも、ふらっとお立ち寄りいただいても構いません。

高崎・前橋・吉岡・榛東・渋川・安中・富岡・吾妻・桐生エリアのお墓のことなら、長沼石材店にお任せください。

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参考:【墓じまい】費用は「31万円〜70万円」が最多 一方「墓じまい」をやめた人も、その理由は?(まいどなニュース 2026年4月14日)
調査元:株式会社鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」対象:733人

長沼石材店 5代目 長沼功一
一級石材施工技能士/群馬県高崎市金古町