毎日寒い日が続きますね。
高崎市金古町では、今日も名物の「からっ風」が元気に吹き荒れています。工場の外で石を触っていると、指先の感覚がなくなるほど冷たいですが、この寒風が身を引き締めてくれるような気もして、私は嫌いじゃありません。
さて、こうして風が強い日や、お彼岸でお墓参りに行かれた際に、ふと「あれ?お墓の石、ちょっと傾いてないか?」とか「目地(石のつなぎ目)が割れているな」と気になったことはありませんか?
実はここ最近、高崎市や前橋市、吉岡町のお客様から「自分たちの代で、お墓をきれいにしてから子供に引き継ぎたい」というご相談を立て続けにいただきました。
お墓は石でできているので「一生もの」と思われがちですが、やはりメンテナンスは必要です。
今日は、私たち長沼石材店が現場で実際に手がけている「お墓のリフォーム(改修)」について、現場の職人目線での費用感や、失敗しないためのポイントを、正直に書いてみようと思います。
なぜ、お墓は傷むのか?現場で見る「石」の真実
「硬い石が、どうして傷むの?」と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、現場で古いお墓を解体していると、その理由がよくわかります。
ここ群馬県、特に榛東村や渋川市のような山沿いの地域や、風の強い前橋の平野部では、自然の力が想像以上に強く働きます。
- 寒暖差と凍結:石のわずかな隙間に染み込んだ水分が、冬の夜に凍って膨張します。これを繰り返すことで、目地を広げていってしまいます。時には硬い石にも「ひび」が入ることがあります。
- 植物の根の力:近くの植木の根っこが外柵(お墓の囲い)の下に入り込み、何トンもある石を持ち上げてしまうのを何度も見てきました。
- 地震の影響:目には見えなくても、度重なる大小の地震で石と石を繋ぐ接着剤やモルタルが剥離していることがあります。
人間が健康診断をするように、お墓も数十年に一度はプロの目で見てあげることが、結果的に長持ちさせる秘訣なんです。
詳しくはお墓についてのページでも触れていますが、石は生き物のように変化するんですよ。
【現場目線で解説】リフォームの内容と費用の目安
一番気になるのは「費用」のことですよね。
正直に申し上げますと、お墓のリフォームは「現場の状況」によって金額が大きく変わります。
例えば、クレーン車が横付けできる墓地と、細い坂道を人力や運搬車で石を運ばなければならない墓地では、同じ作業でも手間(人件費)が変わってくるからです。
ここでは、一般的な目安をお伝えしますね。
1. 目地の補修・クリーニング(目安:3万円〜10万円)
これが一番ご依頼の多いメンテナンスです。
石のつなぎ目の「目地(めじ)」が切れていると、そこから水が入り、冬場に凍って石を押し広げてしまいます。
「たかが目地」と思わず、早めに直すのが一番の節約です。高圧洗浄機と専用の洗剤で水垢を落とすだけでも、見違えるように明るくなりますよ。お墓のクリーニングの記事も参考にしてみてください。
2. 傾き直し・据え直し(目安:30万円〜80万円)
「お墓が傾いている気がする」という場合、多くのケースで「基礎」に問題があります。
一度石塔を解体して、下の土を掘り返し、鉄筋コンクリートで基礎を打ち直してから、再度石を積み上げます。
私は住宅関連の仕事もしていた経験があるので、この「見えない基礎部分」には特にこだわっています。ここを疎かにすると、数年でまた傾いてしまいますから。耐震・災害対策もしっかり行います。
3. 戒名彫刻・色入れ(目安:3.5万円〜/1霊)
新しく仏様が出た時の追加彫刻です。現場で彫る場合と、工場に持ち帰る場合があります。
ついでに、薄くなった既存の文字に色を入れ直すだけでも、お墓全体がキリッと引き締まります。戒名彫刻の流れもブログに書いていますので、読んでみてください。
4. 大規模リフォーム・建て替え(目安:50万円〜150万円以上)
「外柵がボロボロで危ない」「和型から洋型に変えたい」といった場合は、大規模な工事になります。
ただ、今ある石塔が立派なものなら、それを磨き直して再利用することも可能です。
「先代が選んだ石だから残したい」という想い、私は大好きです。そういうご相談、ぜひのらせてください。
「そろそろかな?」と思ったらチェックしてほしいポイント
お墓参りに行った際、ちょっとだけ以下のポイントを見てあげてください。
早期発見なら、費用もぐっと抑えられます。
- 1円玉が入る隙間はないか:石と石の間に隙間ができていませんか?
- 花立の水は漏れていないか:ステンレス製の花筒に交換するだけで、お掃除が本当に楽になります。
- 外柵の石が開いていないか:角の部分が開いてくると、崩壊のサインかもしれません。
もし「あれ?」と思ったら、スマホで写真を撮って私に送ってください。LINEでも大丈夫です。
定期点検のつもりで、気軽に見せていただければと思います。
私の「失敗しないリフォーム」への想い
最後に、少しだけ私の想いを書かせてください。
お墓のリフォームで一番大切なのは、「何のために直すのか」をご家族で共有することだと思います。
「お参りを楽にしたいのか」「地震対策をしたいのか」「見た目をきれいにしたいのか」。
先日、安中市のお客様で「雑草取りが大変だから、全面石張りにしてほしい」というご依頼がありました。
施工後、「これで足腰の負担が減って、孫も連れてきやすくなったよ」とホッとした笑顔を見せてくださった時、職人として本当に嬉しかったです。
石は重いですし、動かすのは大変です。
でも、その重い石を動かすことで、ご家族の心の重荷が少しでも軽くなるなら、それが私たち石屋の仕事の本質だと思っています。
まとめ:まずは「お話」から始めましょう
リフォームをするかどうか、まだ決めていなくても構いません。
「ちょっと見てくれる?」その一言で、高崎、前橋、榛東、吉岡、どこへでも飛んでいきます(安全運転で行きますが)。
94年続く石屋の5代目として、無理な営業は一切しません。
お客様のペースで、ご先祖さまにとって、そして今を生きるご家族にとって一番良い方法を一緒に考えましょう。
胃カメラの検査で「異常なし」とお墨付きをもらった健康な体で(笑)、皆様のお墓守りをサポートさせていただきます。
高崎・前橋エリアのお墓のことは長沼石材店へ
創業百余年、5代目の私が責任を持って対応させていただきます。
小さなお困りごとでも、まずはお話を聞かせてください。