お墓参りを楽にする外柵設計|足元・段差・掃除しやすさを現場目線で解説【高崎市・長沼石材店】

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外柵施工イメージ

外柵施工イメージ

六月に入ると、群馬はもう夏の手前です。梅雨の合間に青空が覗く日は気持ちいいんですが、風がない分だけ湿気がこもって、現場での作業はじわじわと体に応えてきます。朝イチで霊園に入ると、石の表面が朝露と土ぼこりでしっとりしていて、「今日も足元に気をつけないとな」と思いながら区画に入ります。ハンマードリルで基礎を穿つ音が霊園に響くころには、もう額に汗がにじんでいますね。

そういう季節になると増えるのが、「お墓参りのたびに足元が心配で」というご相談です。「段差がつらくなってきた」「雑草が伸びて恥ずかしい」「掃除するたびに腰が痛くなる」──そんな言葉をお客様から聞くたびに、外柵の設計って本当に大事だなと改めて感じます。

今回は、外柵(お墓の周囲を囲う石の構造物)の設計と施工について、私が現場で実際に経験してきたことをもとにお伝えします。売り込みではなく、地元の石屋として「こうすると本当に変わりますよ」という実感を、失敗談も含めて正直に書きました。

霊園外柵施工風景

霊園外柵施工風景

外柵でお墓参りはこんなに変わる──足元・段差・掃除の三つの話

足元の安定は「みかげ石の板石貼り」で大きく変わります

お墓の区画内、足を踏み入れる場所に敷く石のことを板石(いたいし)と呼びます。ここが整っているかどうかで、お墓参りの印象がガラッと変わるんですよ。

高崎市や前橋市の周辺は、粘土質の土が多い地域です。雨が降るとぬかるんで靴が沈み、晴れると固く締まる。季節によって地面の状態が全然違う。「雨の翌日にお墓参りに来たら、足元がぬかるんで怖かった」とご相談いただいたお客様がいらっしゃいまして、板石を一から敷き直したことがありました。

施工が終わってしばらく経ったころ、そのお客様から「先日お参りに行ったら足元がしっかりしていて、全然違いますね」と電話をいただいて。電話越しでしたけど、声のトーンが明るくて、こちらまで嬉しくなりました。

板石の素材として私がよくお勧めするのはみかげ石です。硬くて吸水率が低い。雨の後でも滑りにくい加工(本磨き以外のバーナー仕上げや割肌)を選べば、よりしっかりした足場になります。

みかげ石そのものの特性については、以前「みかげ石ってどんな石?」というページで詳しくまとめていますので、石選びに迷っている方はぜひ読んでみてください。「硬さ」や「吸水率」といった話も書いていて、なぜ板石に向いているのかが伝わると思います。

それから、「みかげ石」と「御影石」という表記の違いが気になる方もいらっしゃいますよね。実はこれ、石屋の間でもよく話題になる話で、「いわゆる”みかげ石”って何?」という記事で一度きちんと整理しました。ちょっとした豆知識として読んでいただけると思います。

段差は「ほんの数センチ」が体への負担になる

外柵の出入り口の段差──これが若い方には気にならなくても、ご年配の方には意外と大きな負担なんです。しかも、お墓参りは荷物を持って来ることが多い。両手にバケツや花束を持ちながら段差を上り下りするのは、なかなか怖いものがあります。

渋川市のお客様から「母がつまずきそうになって、ヒヤッとした」とご相談いただき、段差のリフォームをしたことがあります。石を外して土台を調整する作業の中で、既存の基礎が少し傾いていることがわかって。「これ、かなり前から危ない状態だったんだな…」と正直、背筋が冷えました。見えているのは石の上の部分だけで、土の中の状態はやってみないとわからないことが多い。だからこそ、現地確認は丁寧にしたいと思っています。

段差の調整は単純に石を削るだけでは済まないことが多く、土台(基礎)の再調整がセットになることがほとんどです。お墓全体の構成については「石塔の主な構成」のページでもお伝えしていますが、目に見えない部分こそ手を抜いてはいけない──というのが私の持論です。

ちなみに、傾きや沈下は段差だけの問題にとどまらず、石塔全体の安全にも関わります。「お墓が少し傾いてきた気がする」というときは、「地震・凍結・経年劣化でお墓が傾く理由と点検の仕方」という記事も書いていますので、心当たりのある方は合わせて読んでみてください。外柵の段差問題と地盤の話は、実は繋がっていることが多いんです。

段差の高さの目安として、バリアフリーの考え方では一段あたり150mm以下が望ましいとされています。ただしお墓の場合は区画の高低差もありますから、現場によって最適な寸法は変わります。「どれくらいにすればいい?」と聞かれたら、必ず現地を見てからお答えするようにしています。

掃除のしやすさは「砂利敷きと雑草対策」でほぼ決まる

お墓の掃除で一番大変なのは、やはり雑草との戦いです。特に夏の群馬は暑い。赤城おろしが吹けばまだしも、無風の炎天下で草むしりをするのは若い方でも本当に応えます。

私がよく採用するのは、防草シートを敷いてその上に砂利を乗せる方法です。ただ、「やれば全部うまくいく」かというと、そうではなくて──。

じつは昔、お客様のお墓の砂利敷きをして、数年後に様子を見に行ったら防草シートの端が破れて草が出てきていたことがあったんです。あのときは本当に申し訳なかったし、自分でも悔しかった。それからシートの選定と端部の処理(めくれ防止の石の置き方や、外柵の際の納め方)を見直しました。今は耐久性の高い資材を使って、端部をできるだけ丁寧に処理するようにしています。

防草シートと砂利の施工断面

防草シートと砂利の施工断面

防草工事の詳しい内容は「炎天下の草むしりから解放!石屋が教える長持ちする防草工事の秘訣」という記事でまとめています。資材の選び方から施工のポイントまで書きましたので、外柵工事と合わせて検討される方にはぜひ読んでいただきたい内容です。

砂利は色や粒の大きさでお墓の雰囲気がずいぶん変わります。白系は明るく見えますが汚れが目立ちやすい。黒系や茶系は落ち着いた印象ですが暗くなりすぎることも。実際にサンプルを見ながら決めていただくのが一番です。

外柵設計で「水の流れ」を考えるのが実は一番大事かもしれない

板石・段差・砂利と話してきましたが、もう一つ見落とされがちな大切なポイントがあります。それが水勾配(みずこうばい)です。

外柵の中に雨水が溜まりやすい設計になっていると、夏場は藻が生えたり、冬場は凍って石が傷んだりします。板石の表面を微妙に傾けて水が外に流れるようにする。排水の出口をどこに設けるか。これを考えないで石を並べると、数年後に「水が溜まって苔がひどい」という状態になってしまうんです。

水が溜まり続けると、石の表面が白く色褪せる原因にもなります。「うちの石塔が最近白くなってきた気がする」という方には、「石塔が白く色褪せる3つの理由と、戻せる場合・戻せない場合」という記事も読んでいただけると、状況の整理に役立つと思います。外柵の水勾配と石塔の劣化は、意外なところで繋がっているんですよ。

見た目には全くわからない部分ですが、10年後・20年後に「ここに頼んで良かった」と思っていただけるかどうかは、こういう見えない工夫の積み重ねだと思っています。

実例──70代ご夫婦のお墓が「通いやすいお墓」になるまで

高崎市内のご夫婦から「お墓参りのたびに段差が不安で、行くのが億劫になってきた」とご連絡をいただきました。榛名山が正面に見える、風が強い高台にあるお墓です。赤城おろしが吹くと砂埃が舞い上がって、砂利も飛んでしまうような場所でした。

現場を確認すると、段差の高さが一段240mmほどある箇所があって、土台も経年で少し沈下していました。既存の外柵を一度外して土台を組み直し、段差をほぼ解消し、板石の面積を広く取り直して、砂利も一新しました。

完成してご夫婦に見ていただいたとき、奥様が「これなら安心して来られます。ありがとうございます」と言ってくださって。ご主人もひとこと「丁寧にやってくれたね」と。それだけで報われるんですよね、この仕事は。

こうした施工の仕上がりは「墓地改修施工例」のページにも掲載しています。写真で確認できますので、「どんな仕上がりになるんだろう」とイメージを持ちたい方はぜひ覗いてみてください。

段差解消工事の4コマ漫画

段差解消工事の4コマ漫画

外柵の相談をするとき、こんな情報があると話が早いです

「うちのお墓も見てもらえますか」とご連絡いただく方のために、事前に確認しておくと打ち合わせがスムーズになる情報を挙げておきます。

  • 霊園・墓地の名称と区画番号(わかれば)
  • 現在の外柵の状態(段差の高さ、板石の有無、砂利の状態など)
  • お困りの内容(足元が不安、雑草が多い、水が溜まるなど)
  • 現在の写真(スマホで撮った写真でOKです)

写真はLINEやメールで送っていただけると一番ありがたいです。現地に行く前に状況がわかると、必要な資材や工期の見通しが立てやすくなります。もちろん写真がなくても、まずはお電話やメールでお気軽にどうぞ。

なお、外柵リフォームと一緒に石塔の掃除や再研磨をご希望の方もいらっしゃいます。「昭和のお墓を磨き直す『再研磨』という選択肢」という記事で、捨てるより活かすという考え方を書きました。古いお墓をそのまま活用したいとお考えの方に、読んでいただきたい内容です。

まとめ──「行くのが楽しみになるお墓」を一緒に考えましょう

お墓参りは、ご先祖様と向き合う大切な時間です。足元が不安だったり、掃除が大変だったりすると、その時間が何となく億劫になってしまう。それはもったいないと、いつも思っています。

外柵の設計次第で、足元の安心感も、段差の負担も、草取りの手間も、かなり変わります。「うちのお墓は古いから…」と諦めていた方も、まず現地を見てみると何かできることが見つかることが多いです。

現地確認とご相談は無料ですので、どうぞ気軽に声をかけてください。「こんなこと頼めるの?」という小さな疑問でも大歓迎です。

高崎・前橋エリアのお墓のことは長沼石材店へ

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